リーダーとしての条件
今私は「ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則」(ジェームズ・C・コリンズ著)を読み始めています。この本のテーマは、良い(Good)企業から偉大な(Great)企業へ飛躍するための法則、時代を超えた法則を見出すことです。この法則はあらゆる組織の法則だと説いています。
はじめの章で偉大な企業への飛躍を指導した最高経営責任者(CEO)に共通する性格がまとめてあります。それは「個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを維持できる企業を作り上げる」というものです。その「謙虚さ」とは、「おどろくほど謙虚で、決して自慢しない」、「他の人たち、外部要因、幸運が会社の成功をもたらした要因だと考える」などです。
同じ様な事柄をドラッカーが「非営利組織の経営」の中で指摘しています。彼は有能なリーダーについて、「決して『私』とはいわない。(中略)そもそも彼らは『私』のことなど考えてはいない。『われわれ』のこと、チームのことを考えている。チームを有効に機能させることが自分の仕事だと心得ている。責任を回避することなく引き受ける。そして成果は『われわれ』のものとする。こうして仕事と集団の一体化が行われる。これが、信頼感を生み出し、仕事を完成させることになる」と説いています。
私が社会福祉法人京都国際社会福祉協力会で新規施設の設立準備責任者として、「京都市みぶ学園」、「京都市横大路学園」の開設と運営に携わり、順調に成果を生み出している時期がありました。私自身にとっては最高に充実感を持って仕事をしていた時期でもあり、有頂天になっている時期でもあったと思います。
何が原因だったのか忘れましたが、所理事長から「松上先生!あんたはいつも『わたしが』『わたしが』と言い過ぎや!自分一人で仕事をしているんとちがうんや!」ときつく怒られたことがあります。施設長という立場に就いて18年になり、「多くの人たちの支えで今の仕事、自分がある」こと、「組織のために何をなすべきか」を少しは身をもって実感するようにはなったと思います。しかし、2冊の書籍から、もう一度「謙虚さ」をもっと自然体で行動に移すことができるように修行をつまなければと再確認させられました。あの時真剣に叱っていただいた所先生に改めて感謝いたします。「良きリーダーとは何か?」とともに、「偉大な社会福祉法人とは?」{良い社会福祉法人と偉大な社会福祉法人との違いは何か?}この問題意識を持ちながら、「ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則」を読み終えたいと思っています。