高槻市北西部阿武山地区の自然に恵まれた環境に立地する「レジデンスなさはら」は、2012年4月1日に開設しました。主としてジョブサイトひむろに通所されているご利用者を中心に20名の皆さんが、3棟の建物【1番館(女性7名)、2番館(男性7名)、3番館(男性6名)】に分かれて生活されています。
ジョブサイトひむろご利用者の将来の暮らしの場として開設したのですが、障がいの重い方や行動障がいを伴う自閉症の方の暮らしの場のモデルとなることを目指しています。
萩の杜の開設から、当法人では、重い知的な障がいのある方や行動上の課題のある自閉症の方の支援を展開してきました。そして、私たちは、たいへん重い障がいのある方々が地域の中で安心して「暮らし」を営むことができるグループホームの実現とともに、その支援モデルの発信を目指してきました。その具体的な実現に向けて、「強度行動障害を持つ自閉症者の地域移行を支えるCH・GH、および入所施設の機能の在り方に関する先進事例研究」(厚労省平成21年度障害保健福祉推進事業)の研究実績を踏まえて、ケア ホームの利用を希望されている方々のご家族との協働を通して、平成24年4月に「レジデンスなさはら」の開設に結びつきました。
ケアホームの利用を希望されているご利用者が早い段階で決まっていたこともあり、入居されるご利用者個々人の暮らしのニーズや障がいの特性に合わせて、建物を設計しました。全館とも南側に居室を配置し、北側に共有のスペースを配置しています。そのことで個々人のプライベートな空間を確保して、刺激の少ない落ち着いた暮らしの環境を提供しています。また居室の中央にリビングルーム・ダイニングルーム・玄関を配置するとともに、居室の両サイドにトイレ・洗面所・浴室を配置することにより、暮らしの動線をシンプルに整理して、ご利用者間のトラブルを少なくする環境面での配慮を行いました。また、 各居室についてもご利用者の暮らしのニーズと障がいの特性に合わせて、クロスの色、柄、カーテンの種類、斜光の下限、壁に防音音素材を貼るなど、個別に合わせた住環境を実現しています。
「地域に生きる」の私ども法人の理念のもと、たいへん重い障がいのある方たちであっても地域の中でいきいきと暮らしを営むことができる包括的な暮らしの支援を提供することを支援方針の柱としています。
ご利用者の個別的なアセスメントに基づいて、日課の流れを考え、重い知的障がいのある方、行動上の課題のある自閉症の方が、日々の暮らしの中で、見通しを持って、安心安全に生活できる環境を提供しています。
ご利用者の個別のアセスメントの基づき、個別支援計画を立案し、それぞれのご利用者にとって暮らし易い、快適な暮らしの環境を提供することに努めています。そのために見通しを持って、自立的・主体的な暮らしができるように、個々人に合わせた暮らしのスケジュールを提示するなど、おひとりおひとりを取り巻いている環境の意味が理解できるように、それぞれの生活環境をご利用者にとって分かり易く整理する工夫をしています。
【スケジュール例】